「大学入試改革と子供の未来」②生きる力の真実

 「生きる力」は、新学習指導要領に次のように説明されています。
 
1 基礎・基本を確実に身に付け、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
2 自らを律しつつ、他人とともに協調し他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性
3 たくましく生きるための健康や体力

 こんな抽象的な美辞麗句に惑わされてはいけません。「本当の生きる力」とは、他者から必要とされる秀(ひい)でた能力のことです。医者は我々が持っていない「病気を治す能力」によって社会に貢献しています。イチローは我々が持っていない「ヒットを打つ能力」によって社会に活力を与えています。そうした他者が持っていない、他者から求められる能力こそ「生きる力」の本質です。それさえあれば日本国内でも国外でも、どこでも自由に生きていくことができます。ところが、そうした能力を持たないと「どうぞ某国へ移住してください」と言われてしまいます。それがグローバル社会の現実です。

 未来を生きる子供たちに必要な「生きる力」とは、具体的なスキルや能力のことです。「他人を思いやる心」等、心の問題は重要です。しかし、それを「生きる力」と混同して考えるのは間違いなのです。