「大学入試改革と子供の未来」①グローバル社会の真実

 2020年(現中3生対象)から入試制度が大きく変わります。現行のセンター試験が廃止され、新たに「大学入学共通テスト(仮称)」が実施されます。4年間の移行期間を経て、2024年(現小学5年生対象)からは本格的に稼働します。全てはグローバル社会に必要な人材の育成を目指してのことです。

 グローバル社会とは何でしょうか。辞書的に言えば、「人・金・モノが国境を越えて自由に行き来する社会」と説明できます。学校教師をはじめとする大人は、「だから君たちの活躍の場は無限に拡がっている」と生徒たちに夢を語ります。確かに間違いではありませんが、それはグローバル社会が示す正の一面であり、そこには負の面も存在します。

 同一労働同一賃金という言葉を聞いたことがあると思います。正規社員と非正規社員という立場の違いによって、同じ仕事をしているのに賃金に格差があるのはおかしいという議論です。全くその通りだと思います。ただ、それならば…今、(具体名は避けますが)某国では月に3万円も払えば喜んで、真面目に一日中、ミシンで服を縫い続ける女性がたくさんいます。一日中、工場で部品を組み立て続ける若者がたくさんいます。もし、あなたの子どもが将来、同じような仕事しかできないとなれば、もらえる月給は3万円です。日本人だから30万円払わなければならない理屈はありません。同一労働同一賃金の原則から言えば、それが当然です。

 「いや、月に3万円では生きていけない」-その通りです。家賃すら払えません。しかし、社会はこう言います。「そうですか。では、某国に移住してください。某国に行けば、月に3万円もあれば十分に生活できます」-これが、人・金・モノが国境を自由に行き来するグローバル社会の正体(負の面)です。あなたの子どもは否応なく、こうした厳しい社会を生きることになります。そこで必要なのが「生きる力」です。